原油価格の下落で損する企業は?

原油価格が下落している。これまで原油高騰で大きな在庫評価差益を享受してきた石油精製業界は、一転して差損という減益要因を抱え込むことになる。

 出光興産も例外ではない。09年3月期第1四半期(08年4〜6月)決算と同時に業績の上方修正を発表したが、強気の通期会社計画を下回る着地は避けられない状況だ。だが、株価への影響は限定的だろう。差損益は会計的なものにすぎず、事業の実態を示すわけではないからだ。

 ガソリンなど国内の石油製品市場が縮小するなか、厳しい事業環境が続いているが、同社の積極的な資源開発活動や精製事業のアジア展開を長期的な観点から高く評価して、「中立」で臨みたい。

 在庫評価差益に底上げされて、修正後の09年3月期業績予想は営業利益が前期比92%増益の1075億円と強気だ。その前提となるドバイ原油は8月以降、1バレル130ドル。だが、7月以降原油価格は急落を続けており、9月には1バレル100ドルを切った。

 09年3月期期初計画で前提とした1バレル95ドルが、より現実的なものとなってきている。そのため筆者は、営業利益が期初の会社計画である前期比72%増の960億円で着地する可能性が高いと考える。

低迷した前期の反動もあり、表面的には大幅増益だが、実質的な事業環境は厳しい。在庫評価差益による増幅分を除けば、営業利益は567億円とほぼ前期並みの水準だ。石油精製事業は営業赤字である。その赤字を石油開発事業が埋める。

■石油精製事業をベトナムで展開

 長期的に見ても、石油精製事業の不振を石油開発事業が補う構図が続きそうだ。その観点から、オーストラリアにおける石炭事業や、北海やベトナム沖での石油開発、さらにベトナムでの石油化学コンプレックスプロジェクトへの参画などの積極的な取り組みは高く評価できる。

 09年3月期期初の会社計画利益ベースでのPERは12倍を切り、PBRも0.6倍程度にすぎず、株価面では割安感が強い。事業環境は厳しいが、長期的な展開力を評価して「中立」で臨みたい。

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posted by gas at 14:55 | TrackBack(0) | ガソリン周辺情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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